「豊かな富山湾」を守る活動

種苗放流魚は、孵化→成長→産卵という一連の再生産サイクルを繰り返し、生態系の中でバランスをとりながら自らの種を維持しています。
しかし、魚を獲る技術の急速な進歩によって漁獲量が増大したことと、海岸線の埋立・開発など自然環境の変化 及び外国船による無秩序な漁獲によって再生産する力が弱くなってきたために、この再生産のサイクルが崩れ、日本周辺の水産資源は減ってきています。
一方、海外からの輸入水産物に押され、国内の魚の値段は下がる一方です。そうなると、漁業者は魚の値段が下がった分をたくさん獲って補おうとする結果、魚の再生産サイクルに更に大きな負担をかけています。
このような悪循環を断ち切るためには、水産物の資源量自体を減らさないように計画的に漁業を行う必要があることから、全国的に地域に応じた「資源管理型漁業」が進められており、本県では富山県資源管理指針に基づき、以下の資源管理型漁業に取り組んでいます。

魚種 取組内容
マダイ 全長13cm未満の小型魚再放流
ホッコクアカエビ 休漁の設定、網目拡大、休漁期間の拡大
ベニズワイガニ 年間漁獲限度設定
ツバイ 網目拡大、小型個体の再放流
ヒラメ 全長25cm未満の小型魚再放流
シロエビ 曳網回数、出漁日数、出量隻数等の削減等
クロマグロ 休漁の設定、小型個体の再放流

また、資源管理の取組と合わせ、水産物を安定的に供給していくために富山県ではヒラメ、クロダイ、クルマエビ及びアワビの種苗生産が行われており、各JFではこれらの種苗放流等を行っています。今後は新たにキジハタ、アカムツ(ノドグロ)の種苗生産、放流、技術の開発に取り組むことになっています。