富山湾は、ユネスコが支援する「世界で最も美しい湾クラブ」に平成26年10月に加盟しました。雄大な立山連峰を望む自然環境と、漁業・工業・商業・観光などの経済活動がバランスよく共存する点が評価された結果と思われます。
この美しく豊かな海があってこそ、富山湾の漁業は成り立っています。私たちJFグループは、消費者の方々に安全で新鮮な魚を責任を持ってお届けするため、以下のような活動に取り組んでいます。
- 海と川と海をつなぐ環境保全運動
最近、森と海とのつながりがよく言われています。これは、海中のプランクトンや魚といった海の生態系にとって、川上にある森林で育まれた豊かな栄養分を含む水が必要不可欠なものであることがわかってきたためです。そこで、全国のJFグループでは、漁業者が山に入って植樹を行うという活動を行っています。
一方、富山県は植生自然度が本土では第一位であり、森林環境に非常に恵まれています。それでも、河川上流部での集中豪雨によって山林が崩壊し、河川を通じて大量の流木・沈木が富山湾に流れ込むなど、漁業被害をたびたび引き起こしています。
そうしたことから、富山県の漁業者は、県や森林組合等が行っている植樹祭や育樹祭に参加したり、神通川の上流にある岐阜県と交流を行うなど、海と川と海をつなぐ環境保全運動に積極的に取り組んでいます。 - 天然石けん使用運動
合成洗剤に含まれる合成界面活性剤は、その環境毒性による魚介類への影響が懸念されることから、全国のJFグループでは「天然石けん」を使おうという運動を展開しており、「わかしお」というオリジナルブランドを開発して、一般の方にもご利用いただけるよう普及に努めています。 - 富山湾沿岸の水質調査
富山県の主幹漁業である定置網において、漁業者が毎月一回海水を採取し、それを富山県水産研究所で分析してもらっています。この調査は昭和48年から行っており、富山湾の水質変化を知る上での貴重なデータになっています。 - 海浜清掃運動
川辺や海辺でよく見かけるゴミ。朽ち果てて自然に帰るものもありますが、海にたどり着いたプラスチックゴミは腐ることがないため、水辺の生き物にとって死活問題です。消化されないプラスチックゴミを食べて死んだり、棲息場所を失ったりしています。
しかし、近年は自然環境に対する意識の高まりもあり、全国各地で「クリーンアップ運動」が展開されています。富山県内のJFグループでも、地域住民と一体となって海岸や漁港などの定期清掃を行っています。
また、生協や農協・森林組合等と手を携え、「海岸クリーン作戦」を富山県内2ヶ所(八重津浜・島尾海岸)で毎年行うなど、活動の輪を広げています。